際限のない欲に駆られて渇望の海に溺れる人々

地位や名誉、財産を守るために、我が我がと必死にもがく者。
その渇望の先に誰かが傷付こうとも、知らぬ存ぜぬを通す。

しかし、自分本位に欲望を満たしても、彼らが幸福になることはない。
なぜなら、それらの欲望というのは、希薄で表面的なものであり、心の深部を満たすものではないからだ。
そのような欲望は際限がなく、求めれば求めるほど渇望の海に溺れる。

また、自分の幸福が誰かの不幸のうえに成立することもない。
人の本心は深い部分で繋がっているから、誰かが傷つけば、自分も潜在的に傷つくことになる。
たとえ気付かなくても。

これが、欲求不満の正体だ。
つまり、求めても求めても満たされないのは、人の本心を無視した欲望を追っているからである。
その欲望が結果的に人を傷つければ、満たされないだけでなく、自らの心も傷付けることになる。

真の「欲」とは、あなたの心の中心にある泉から静かに湧く、純粋で清らかな想い。
その本心をそっと汲み取り、実行することこそ、心の底から満たされる真の「生き方」である。

だから、真の幸福を感じるには、まず、偽りの幸福で誤魔化している自分に気づかなければいけない。
乱れた心の波を鎮め、濁った心の泥を鎮め、その中心に滾々こんこんと湧く本心を汲み取ることができれば、あなたは世を照らす光となる。